第8回(6月3日掲載)
2019.06.03 11:00
<ステンレスクラッドをプール市場に投入>
鋼製・アルミ製と進化して、1978年にニッコンステンレス製プールを発表した時も、ニッコンは他社の後塵を拝することとなった。
(株)日本コンサルタントグループを通じて、ステンレスクラッドという特殊鋼の情報が入った。ステンレスの錆びにくい特長と軟鋼の加工性の良い特長を併せ持つステンレスクラッドは、軟鋼を母材として、その表面にステンレスを金属的に接合させたクラッド比5%の特殊鋼。
鋼製とステンレス製プールの長所と短所を経験してきたニッコンは、メーカーの(株)日本製鋼所からの提案に素早く対応した。研修会と加工での溶接条件・使用溶接棒・曲げ加工等、プール製作に要求される項目の試作を重ね製品化にこぎつけた。
翌年の1979年に品川区立浅間台小学校プールに第一号を納入。開校まもない東京工科大学に、日本初の屋上50m公認プールを納入するなど、ニッコンがプール業界に先駆けて、初めてステンレスクラッド製プールを市場に投入できた。
販売面でも(株)日本製鋼所の室蘭製作所の協力を得て、室蘭市や近隣の登別市他にも数多くの実績を残すことができた。
朝日新聞がこの特殊鋼でプールを造ったニッコンを取材し、新製品として紹介戴いた事も追い風となった。
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