第22回(9月19日掲載)
2019.09.19 14:47
< 1995年1月 阪神淡路大震災 >
被災地の現場は多くの学校が避難場所となった。
学校等の施設の防災対策として、緊急時にプール水を飲料水や生活用水に使用できる浄水機能を持つ「浄水型プール」の整備が急務であった。
「NDR5117型」は、標準的25mプールで360m3の内、約100m3を飲用に、200m3を生活用水として、2,500人の避難者の一週間分を提供できる。
このシステムはニッコン・ダイヤスポーツ開発・ロキテクノの共同開発で、それぞれの専門分野を生かして商品化した。システム名は各社のイニシャル名から、「5117」は震災の起きた1995年1月17日からとり、この教訓を忘れないようにとの願いを込めたネーミング。
一方、ステンレス協会及び社団法人ステンレス構造建築協会が会員各社に依頼して、プールの被害実態調査を合計196ヶ所実施した。
被害が最も大きかったのはFRP製プール、次にコンクリート製プールで、ステンレス鋼製プールは大地震災害時においても”塑性変形による大きなエネルギー吸収能力を持つ”という金属ならではの特性が、プールでも実証され漏水等の被害はなかった。
この実証データが、その後の学校プールがステンレス製に大きく変わる転機となった。
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