第34回(12月10日掲載)
2019.12.10 17:09
< こどもの国リニューアル 2>
多摩丘陵の約100ヘクタールの敷地に“こども動物園”“運動場”そして屋外プール他があり現上皇・上皇后陛下の御成婚を記念して1965年に開園した。
第2期工事は2009年で、最上段の既設3レーンの直線ウォータースライドを、滑走面をステンレスで内張りし両サイドをロケットパネル工法の擬岩で渓流を演出して2レーンに改造した。登坂通路はウェイテング客のクールダウンにミストを採用。着水プールに観覧ステージ兼回遊通路を新設して動線の確保をし、一方プール側壁に開口部を設け3段下の遊泳プールに打た瀬エリアを造設。
2段下の子どもプールにステンレス製の水遊具を設置、階段でオーバーフローした水が2段下の幼児プールに流れる、一連の水の落差を生かした循環で濾過システムの効率化を計った。
徒渉プールに、循環吐出の水圧を利用した水の連続したアーキジェットは、イニシャル・ランニングコスト共に押さえた成果品といえる。
FRP製の全長74mと92mのウォータースライドは、調査の結果、劣化の激しい約1/3を新設し他はライニング補修して塗装仕上げとした。既設と新設のFRP製のフリュームの再据付は、特に受け金具との取合いは困難を予測したが、現場で仮組みをすることで作業の効率化が計れた。
2期にわたった本工事、プール躯体はステンレスクラッド製・ステンレス製・鋼製の3種類、9基で約3,100m2の水面積。ウォータースライドはFRP製とステンレス製で各2レーン。プールサイドは利用者に喜ばれる遮熱塗装工法。
こどもの国のリニューアル工事は、随所にニッコンの技術力が生かされた、リニューアルの集大成となった作品。
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